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パク・パク・ナティン 佐藤育代(やすよ)さん

更新日:2021年1月24日


フィリピンの貧困地域の支援を行うパクパク・ナティンは、団体設立から20年、その前身の活動を含めると約30年の歴史があります。世田谷を東京の拠点に、イベントをはじめ、さまざまな施設や団体との協働を通してフェアトレードを伝え続けてきました。



ーーーパクパク・ナティンがどのような活動をしているか教えてください。

パクパク・ナティン(Pakpak Natin)はフィリピノ語で”私たちのつばさ”という意味です。フィリピンの貧困地区の女性たちの収入向上と伝統文化の技術継承を目的にフェアトレードを行っているNGOです。フィリピンの伝統織物や手工芸の継承をめざす女性職人への支援として、手工芸品の輸入と商品開発、販売・卸を行っています。フィリピンの生産者と対等な立場で交流を重ねながら、信頼関係を築いてきました。今年で20年になります。 国内では開発教育として、フィリピンやアジアと日本のつながりを知り、学び合うワークショップやフェアトレードの啓発活動等をしています。 ーー団体の設立の経緯を教えてください。

1991年フィリピンのピナツボ火山が大噴火し、甚大な被害をもたらしました。当時マニラに暮らす日本人女性たちが「ピナツボ救援の会」(通称ピナQ)を結成し、救援活動を始めていたので、当時マニラに家族で住んでいた私もこの活動に参加しました。今のパクパク・ナティンのメンバーはこのピナQで出会い、災害被災者の支援に関わりました。被災地に緊急物資を届けたり、被災者の生活再建プロジェクトなどの活動に参加しましたが、次第に「寄付をあげる人、寄付をもらう人」という一方的な関係に違和感を感じるようになり,「援助」の難しさを体験しました。帰国後、フィリピン人と日本人が対等な立場で交流しながら、よりよい社会を実現したい!という思いで「パクパク・ナティン」を結成しました。


ーーパクパク・ナティンの結成は帰国後なのですね。

はい。フィリピンで共に活動したメンバーが帰国し、フィリピンの生活や豊かな文化を日本人の多くの人に伝えたいと強く思うようになりました。また、フィリピンの抱える貧困問題はフィリピン人だけの問題ではなく、わたしたち日本の消費者にも責任があり、自分たちの生活を見直す必要があると気づいたのです。そこで、5人のメンバーで共に学び、行動していこうと「パクパク・ナティン」の活動を始めました。



ーーフェアトレードを知ったきっかけを教えてください。

マニラの貧困地域で女性たちを支援している日本人のシスターに出会い、彼らの製作した手刺繍のカードや小物を販売する支援をしていましたが、シスターから「彼らの製品を継続して購入していくことで、彼らの経済的自立につながります。」と言われ、帰国後も彼らの製品を購入し支援し続けました。これが私たちの「フェアトレード」の始まりです。その後、自然素材を使ったバッグや織物など伝統技術の継承にも力を入れて生産者を支援しています。


ーーフェアトレードやエシカルを知って変わったことはありますか?

フェアトレードの活動を通して、開発途上国の生産者や労働者の厳しい現状を知りました。メンバーは、砂糖、コーヒーや紅茶、チョコレートなどFT商品を選び、自分の生活の中に取り入れています。また、途上国の生産者の現状をひとりでも多くの人に知ってもらいたいと思い、友人宅への手土産やプレゼントにFT商品を使うようにしています。同時にフェアトレードを社会に広げていく難しさも感じています。




ーーエシカル&フェアトレードの商品でお気に入りのものはありますか? その理由は?

ATJのマスコバド糖やバランゴンバナナ。美味しくて安全安心だから。ピープルツリー、KALDI、イオンのチョコレート。少量で値段が手ごろだから。KALDIのコーヒー「ウーマンズハンド」。女性たちを支援したいから。パルシックのコーヒー、紅茶、ハーブティー。東ティモールの映画「カンタ・ティモール」を見て、現地の状況を知り支援をしたいと思うようになりました。


ーーエシカルなものを選ぶと街や人、社会はどのように変わると思いますか?

エシカル商品やオーガニック商品は、環境を配慮しているので、消費者だけでなく、生産者の健康や環境も守ることができます。また、地消地産を選ぶことで地域の人とつながりが深まり、地域の活性化につながります。地域の人が顔見知りになることは、町の安全につながり、防犯や防災のためにも良いことです。


ーーいまの社会でフェアトレードにできることはあると思いますか?

コロナ禍で混迷を極める世界ですが、相互依存しているので、今まで以上にFT商品やエシカル商品を購入して生産者を応援すること必要になるにもかかわらず、流通コストも上がり、付加価値のある商品を経済的理由で買えないという現実が出てきます。また、都市のロックダウンで、国際流通を前提としたフェアトレードの在り方も変わらざるをえません。「グローバルに考えローカルで実践する」とよく言われてきましたが、ローカルに注目し、ローカルの知恵を集めて解決の糸口を探さなくてはならないと思います。 今、世田谷区をFTタウンに!と活動を始めていますが、ひとりひとりが応援するのは限界があるので、街ぐるみで途上国の生産者を応援することで多くの生産者を応援することができます。日本各地でこのような運動が始まっているので、ますます広がっていってほしいと思います。 途上国が抱えている問題は、先進国に起因することも多く、その国だけの問題ではないことが多いので、(環境問題、労働者雇用や働き方、子供たちの健康、教育・福祉など)住む国が違っても共通する問題について共に考え、解決への道が開けるのではないかと思います。簡単に解決できるとは思いませんが、互いの文化や生活を尊重し、同じ立場で語り合うことの大切さを学ぶことができると思います。パクパクも微力ではありますがFT推進の活動に参加していきたいと思います。


ーー団体としてこれから取り組んでいきたいこと、伝えていきたいことを教えてください。

世界の未来を変えるためのSDGsを達成させるには、FT活動やエシカル消費が欠かせません。そこでパクパクのイベントやバザーなどでフェアトレードやエシカル消費について発信していきたいです。 このコロナ禍で世界が大きく変化していくことでしょう。経済の低迷、環境の悪化など、今後の生活の変化を思うと不安です。しかし、途上国の生産者への影響はもっと深刻なはずなので、より一層の支援が必要です。パクパクの活動を通して、途上国の人々の現状を伝え、支援を呼びかけていきたいです。しばらくイベントやWSなどができないので、ブログやFB、ツイッターを使って発信していきます。 パクパクとしては今まで通り、経済的に弱い女性たちが手掛ける手工芸品や伝統文化の継承を支援していきます。現在フィリピン・ルソン島北部イロコス州に残る伝統織物「ビナクル」を使ったバッグのブランドHABI PRIDEを立ち上げました。ひとりでも多くの方にこの布のすばらしさを知っていただき、今にも消えてしまいそうな伝統文化を守っていけたらと思います。2月末にイロコス地方の織物の里を訪問し、職人たちに会ってくることができました。織手の女性たちが生き生きと活躍している様子にとても感動し元気をもらうことができました。パクパク・ナティンのBLOGをぜひ読んでください!




ーーご自身のSDGsやフェアトレード・エシカルに関する目標を一言お願いします。

世界の環境保全と国内外の生産者を支援できるエシカル消費を心がける。 PROFILE 団体名  パクパク・ナティン(Pakpak Natin) 設立時期 2000年2月 URL http://www1.odn.ne.jp/pakpak-natin/index.html Blog http://pakpak-natin.blogspot.com Shop https://pakpak-natin.stores.jp E-mail pakpak2000@hotmail.com 主な活動内容:バザー、イベント、WS, デパートの催事などで展示販売、主に都内の雑貨店などに卸売販売。 (GAIA代々木上原店・銀座教文館・JAICA地球ひろば・生活クラブ@経堂 カフェ&ダイニング素々 他10店舗)

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